父が娘に語る経済の話  その2

前回からの続きを始めよう。

 

まず「余剰」について

学んだ。

「余剰」は様々なものを生んだことも。

帝国主義国家もその一つ

大航海時代を迎えると

未開の大陸へ侵略・植民地政策を進め

その結果

例えば著者の娘さんが住んでいる

オーストラリアでは

イギリス人を中心とした白人と

先住民との

「格差」

が広がったことを話した。

そうでしたね。

グローバルな視点で

格差が存在することの原因は

理解できました。

テクノロジーをもった帝国主義国家たちが

そのチカラを利用して

侵略・植民地化を突き進んでいった

結果から格差が生まれたと。

 

では、

例えば

帝国主義国家の代表格だった

イギリス国内での

その昔から今でも続く

「格差」

どういう流れで生まれたの?

 

という質問への返答からお願いします。

りょーかいしました!

 

「農耕」という

画期的なテクノロジー革命から

「余剰」が生まれたと先程述べた。

「余剰」の蓄積が進につれ、

「余剰」を管理していた者達へ

富と権力が集中。

後に彼らが支配者となる体制を形成。

国家やそれを支える

軍隊、官僚が誕生し

宗教が導入された。

その支配体制の中では、

支配する者とされる者の間で

「格差」があるのは当然のこと

と刷り込まれた。

 

18世紀にイギリスで始まった

「産業革命」では

それまでにないほどの

凄まじい格差を持った社会が生まれた。

それが今日でも残っている

資本主義社会なんだ。

「資本主義社会」は

その歴史の中で大きく変容してるから

その始まりから現在まで

を引っ括めて

「市場社会」と呼ばせてもらうね。

②市場社会の始まり〜凄まじい格差が生まれる〜

了解しました!

 

その「市場社会」の歴史の中で

凄まじい格差が生まれたと

言ってましたが

詳しく教えて下さい。

わかりました!

 

「市場社会」の歴史について

その始まりから話そう。

 

ヨーロッパで造船が発達,航海技術も上がった。

航海ルートが発見され

グローバル貿易がひろまった。

 

世はまさに大航海時代。

商人や船乗りたちが莫大な財産を築いていった。

イギリスやスコットランドの領主達はそれが

我慢ならなかった。

「私達も、当時国際的に価値のある羊毛を

生産、販売しよう!」と考えたのだ。

土地に縛られて農作業をする人(農奴)

を追い出し

代わりに羊を飼うことにした。

当初は自分で経営に乗り出していた

領主達は、他人にそれを任せ、出来高に応じて

賃料を貰うようにしたんだ。

これが悪名高い

「囲い込み」

と言うやつだ。

 

この時から、土地を追われた農奴は

毛繊産業を支える

「労働力」という「商品」

になった。

先祖代々受け継がれてきた領主達の土地も

「賃料」という対価が生まれる「商品」

となった。

羊やその生産に関連するすべての

「生産手段」も

「商品」となった。

 

「労働力」「土地」「生産手段」の3つが

「商品」となったとき

市場社会の始まりなんだ。

それまで領主が土地と農民を支配していた社会

(封建社会)に変化が起きた!

当時の労働市場はとても無慈悲であった。

一方的な買い手市場だった。

突然、仕事を奪われた農民達は

低賃金長時間労働でも

新たな仕事に耐えなければならなかった。

一方

牧場経営に乗り出した農民もいた

事業に成功したもの達は

どんどん富を増やしていった。

いぜんは「余剰」を管理・独占した者たちが

人間社会においてチカラを持っていたが

市場社会になると

事業に成功した者たちに

富が集積したんですね。

 

事業に成功したポイントは何

ですか?

それは

 「借金」

   です。

 

勇気を持って

「借金」を

したこと。

「借金」!?

どういうこと?

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